いわと寄席:柳亭市馬の日

木曜社の及川さん、ご隠居さんモードの浜地さん、主婦の友の金沢さんというかつての電子書籍トリオのお誘いを受けて。
いわと寄席は、デザイナーの平野甲賀さん夫妻がプロデュースされている寄席。
及川さん、浜地さん、幸子と飯田橋で待ち合わせし、紀の善という甘いもの屋さんで豆寒で小腹を満たしてから出陣。
市馬さんの演目は三軒長屋。ぼくは、こんなに長い落語の独演を聴いたのは初めてだった。素人がご託を並べたって仕方がないので、印象深かったことを一言だけ。
凋落した武士、職人、商人といった江戸時代の階層を象徴する三人の男が登場するわけだけれど、その話っぷりの使い分けが、至極面白かった。後半は、ゲストに三絃の田中ふゆ
ふゆ師匠を迎えての、寄席の歌。及川さんなどは、落語家ごとに異なる出囃子のメドレーにかなり陶酔のご様子。
はねた後、鳥茶屋に飛び込んで、生湯葉とうどんすきで軽く一杯。
なんというか、贅沢な時間だった。以前、同じメンバーで、谷中界隈の下町ツアーに連れて行ってもらったことがあるのだけれど、及川さんと浜地さんの掛け合いを聴いているだけで、すこぶる楽しく勉強になる。というか、ぼくや幸子が、いかに限られた社会空間の中で生きてきたか、ということ。歌舞伎や相撲の話、食べ物屋さんの話も含め、江戸時代から続く庶民の文化が、及川さんや浜地さんの血肉の中にごく自然にとけ込んでいる感じ。世代論だけでは割り切れない、豊かな生活環境にある種の羨望を覚えた。
金沢さんの心配りも含め、このような知己とともに、初秋の一夜を過ごせること自体、すごく幸福で贅沢なことなのだろうな、というのが、余韻を味わいながらの幸子との結論。

  • タイトル:いわと寄席:柳亭市馬の日
  • 開始日時:2006-09-29 19:00
  • 終了日時:2006-09-29 21:00
  • 場所:シアターイワト
  • 前座 市丸

    柳亭市馬「三軒長屋」

    ──仲入り──

    柳亭市馬の好きな寄席の唄

    ゲスト 田中ふゆ


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