日フィル横浜定期:渡邉暁雄を偲んで

  • タイトル:日フィル横浜定期:渡邉暁雄を偲んで
  • 開始日時:2006-06-24 18:00
  • 終了日時:2006-06-24 20:00
  • 場所:横浜みなとみらいホール
  • 指揮:井上道義

    バリトン:大久保光哉

日フィル創立指揮者だった渡邉暁雄にちなんでめずらしいシベリウスの曲が並んだ。メインは最後の交響曲となった第7交響曲。大久保によっていくつかのスェーデン語による歌曲が歌われた。

演奏会中の井上のトークで初めて知ったのだが、シベリウスの母語はフィンランド語ではなくスェーデン語だったとのこと。

過日、フィンランドの首都ヘルシンキを訪れたことがあるけれど、道路標識など、フィンランド語、スェーデン語、英語の三つの言語が併記されていた。話を聞くと、多くの人がこの三つの言語を話すトリリンガルとのことだった。

ロシアとの関係も含め、フィンランドの置かれた悲しく複雑な歴史を踏まえて考えると、シベリウスの音楽の背後にあるヨーロッパ近代の音楽とは隔絶しながらも深い襞を畳み込んだような彼の音楽の背景にある苦渋といったものが少し分かるような気がした。

渡邉暁雄の指揮で、学生時代、ジュネス・ミュジカルというNHKがスポンサーをしていたアマチュア青少年によるオーケストラ活動の一環として、シベリウスの第1交響曲のティンパニーをたたいたことがある。その前の年に、尾高さんの指揮でショスタコービッチの第5交響曲のティンパニーをたたいてやらかした大チョンボの雪辱に、とスケルツォのティンパニーソロを見事に決めたつもりが、放送では「時間の都合」でそのスケルツォ楽章を丸ごとカットされてしまった、というほろ苦くも楽しい思い出がある。あの演奏会後の打ち上げて、アケちゃんがサインしてくれたズボンは、ずいぶん長い間、小澤征爾がサインしてくれたTシャツとともに、ぼくの部屋に飾られていたっけ。

 

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