モエレ沼公園とイサム・ノグチ

ちょっと旧聞に属するけれど。

6月末に、北海道に行った。主な目的は、イサム・ノグチがグランドデザインを描いたという、札幌のモエレ沼公園。

28日(水)の朝一便(7:50発)で、旭川へ。9:30到着。レンタカーを借りて、美瑛、富良野方面をぶらぶら。緑の絨毯とお花畑を堪能しました。途中、普通の住居の一室でやっているお店で、スコーンとソフトクリームで、お茶。お花畑では、揚げたてのジャガイモコロッケを頬張った(ぢつは、全道中で、このジャガイモに一番感動した)。お昼は、富良野の「魔女のスプーン」というお店で、名物(イカスミチーズ入り)スープカレー。なかなか乙な味でした。

富良野市がやっているワイナリーとチーズ工房を覗いた後、一路十勝川温泉の観月苑へ。

十勝川温泉は、植物性モール温泉という、美人肌にする日本でも珍しいもの。

温泉(特に露天風呂)もよかったし、料理も満喫。

早朝、十勝川河畔を散策。

朝食後は、一路、札幌のモエレ沼公園へ。この公園は、イサム・ノグチが最晩年に計画とデザインに係わり、やっと昨2005年7月にグランドオープンしたもの。今回の北海道旅行の最大の目的。

公園近くで札幌ラーメンを堪能して、公園内へ。

この公園は、もとは市のゴミ廃棄場。1988年に晩年のイサム・ノグチがここを訪れ、グランドデザインを策定した。日本の庭園ともヨーロッパの庭や公園とも異なる。というか、ノグチは洋の東西の庭や公園を研究し尽くした上で、自分自身の庭を描いたのだと思う。

この公園にいるだけで、子宮に包み込まれたような安らぎを感じる。自分がノグチの巨大な彫刻作品の中にいる、という感覚と、(公園内の)二つの山の頂から見た景観の違いの妙は、得難い経験だった。

札幌市のホームページに、イサム・ノグチと公園のデザインに係わった市職員のインタビューが載っている。

http://www.welcome.city.sapporo.jp/moerenuma/im.html

そこに引かれているノグチの言葉。

「自然の中で自然のまねごとをしてもだめですね」

う~ん。すごいこと言うなあ。で、作品を作るキャンバスが、ゴミ捨て場だからね。

うまく言語化できないのだけれど、またも芸術家/創造者が持つ、果てしない可能性を思い知らされたのだった。

レンタカーを駅前で返し、大通公園にあるロイズのお店でチョコレートを買ってお茶。

帰路は、北斗星2号。ブルートレインに乗るのなんて、20数年ぶり(前は、『学習幼稚園』の取材と称して家族で長崎に行った)。食堂車でのフレンチフルコースを楽しみにしていたのだけれど、オードブルのウニとスープ(兼魚料理)のタイがょっと。先にメニューを決め、予算内で食材を調達したのだろう。鮮度がちょっとね。肉料理のソースにしてもデザート(大豆入りのアイスクリームとスープ仕立てのココナッツミルク)にしても、味はきちんとしていたので、何だかもったいない感じがした。ウニとかタイとかに拘らず、予算内で調達できる食材を鉄道内の厨房を考慮した調理方法で出した方が、ずっとよかっ

たのに。

上野までは16時間あまりの旅。このうんざりするような退屈感こそが、贅沢に極みなのだろうな、などと納得。

考えてみるとほぼ48時間の旅の内、半分の時間はレンタカーか汽車で移動していたことになるけれど、なかなか乙な旅ではありました。

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