ああ、もう一年近くたつのだ。ガネーシュの石原さんが亡くなってから。そして、緑園都市のガネーシュが、ばたばたと店を閉じてから。。
閉店前の昼時に、最後と思って出かけたら、ものすごい混雑ぶりで、石原さんと石原さんの料理を愛していた人がこれほどもいたのかと、改めて深い感慨を覚えるとともに、だいすきだったマトンカレーが売り切れていて食べられなかったことが、とても悔やまれた。この思いは、その後も折に触れて味覚の記憶として何度もよみがえった。そのたびに、哀切の情が胸を刺した。
ゴールデンウィークに入る前に、うれしいはがきが届いた。ガネーシュ復活。場所は、だいぶ遠くなって、金沢区の能見台。それでも、また、あのマトンカレーが食べられる。
昨日(2008年5月16日)、満を持して、出かけた。近ごろ家を出てマンション暮らしをしている娘も、独立した息子も、身重の嫁も、孫も、みんな集まった。総勢、7名。
事前にお店に電話をしたら、予約は受け付けない、とのことだったので、6時前には入っていた。ははは、一番乗り。
マトン、シュリンプ、ベジタブル、キーマ、チキンバターマサラ、ライタ。そう、この味。石原さん時代と全く変わらない味と、ほんの少し変化のついた味と。
孫は、お子様プレート。緑園都市のお店にはなかったなあ。
食後には、蜂蜜のババロアにマンゴーのピュレをかけたものとマサラチャイ。
写真を撮ろうと思って持っていたカメラのことなど、最後の一皿を食べ終わるまで、まったく頭の中から消えていた。
おいしかった。懐かしかった。家族の賑やかな会話があった。
なによりも、石原さんのバトンが確実に次の世代に引き継がれたことが嬉しかった。
また行こう。駐車場に向かう途中の春風が心地よかった。