Rioブランドが消える日

初期のシリコンオーディオを引っ張っていたRioのブランドが、市場から消えるという。
う~ん。何だか、感無量だなあ。
ぼくは、割と先物買いなので、PMP300というRioの初号機も購入した。それも、日本では手に入らなくて、友人に頼んで、香港で買ってきてもらった。
ところが、ACアダプターのプラグが、香港仕様のバカでかい三つ叉タイプで、それを日本のソケットに差し込むためのアダプターを探して、秋葉原中を走り回ったりしたものだ。
その後、ぼくは、いったい何台のシリコンオーディオを買っただろう。もう数え切れないほど。
そのうち、iPodが出た。iPod Shuffleも出た。日本の大手家電メーカーも含め、多くのメーカーが、大同小異の機械を出し、今や、老若男女がいたるところでシリコンオーディオで音楽を聴く時代がやってきた。
そうした中で、ウォークマンを世に送り出したソニーは、一時期シリコンオーディオの分野で決定的な遅れを取っていた。まあ、その大きな理由は、ソニーが取ったコンテンツ提供者側に寄った知的財産権保護の施策にあったことも周知の事実だが。
ぼくは、ウォークマンの初代も買ったのだけれど、時代に魁けるヒリヒリするような快感は忘れがたい。その快感の中には、時代に魁けて製品を世に送り出した開発者たちへの仄かな共感も含まれていたはずだ。
いささかのほろ苦さとともに、魁けたちへの惜別の挨拶を送りたい。
ありがとう、Rio。

カテゴリー: デジタルと文化の狭間で パーマリンク