アンサンブル・エスプリ・フランセ

フルート奏者の工藤重典さんが主宰しているアンサンブル・エスプリ・フランセのコンサートを妻と聴いた。
2004年12月14日(火)19:00~、横浜みなとみらいホール 大ホール。
素晴らしくご機嫌なコンサートだった。
コンサート前に、「54スープバー」で、8種類の野菜(+キノコ4種類)スープとチキンの赤ワイン煮込みを半分ずつ。クイーンズスクエアは、大きなツリーが飾られていて、クリスマスムード一杯。
このアンサンブルは、フルート、オーボエ、ファゴット(工藤さん的にはバッソン)、ヴァイオリン、チェンバロという、現代ではほとんど耳にすることのない組み合わせ。でも、18世紀のヨーロッパでは、ごく普通の組み合わせだった由。確かに、古典派の時代に確立した、弦楽四重奏の求心力やピアノ三重奏のダイナミックな構築性とは随分と趣を異にするが、異なる音色の組み合わせと緊張を強いることのない音楽の流れは、まさに“典雅”そのもの。大ホールの一階席だけに客を入れていたけれど、欲を言うともっと小さなホールもしくはサロンみたいなところで聴きたかった。ま、無い物ねだりというか。
選曲も良かった。
前半に、J.C.バッハ、モーツァルトの魔笛のアリアをフルートとオーボエに編曲したものを3つ、そしてヴィヴァルディ。後半は、やはりモーツァルトではじまり、アンドレ・ジョリベのフルート、ファゴット、チェンバロ(原曲はハープ)のためのクリスマス・パストラル、そして、フランセ。
アンコールの、オンブラマイフやシャンソンのメロディーによるメドレーにいたるまで、隅々まで配慮が行き届いた選曲だった。中では、ジョリベの作品が秀逸。
コンサートが終わってクイーンズスクエアに出てきたら、ちょうど、クリスマスツリーが美しいイルミネーションとともに、クリスマスソングのメドレーをやっていた。ひとしきり立ち止まって、帰路へ。
生活空間と自然につながりながら、華やいだハレの気持ちを味わうことのできた、とてもいい時間だった。

カテゴリー: 音楽の泉 パーマリンク