帰燕と日フィル定期

最近、やっぱり物忘れが進んでね。行ったばかりの音楽会のこととか、すぐに忘れてしまう。自分の備忘のために、簡単なメモだけでも残しておこうと思って。

 

2016年1月23日(土)サントリーホールで日フィルの定期演奏会。

小林研一郎の指揮で、リムスキー・コルサコフのシェーラザードとストラヴィンスキーの春の祭典。

特に、春の祭典が、ものすごい力演だった。いつもはシンバルで名演を聞かせてくれる福島さんが、今日は大太鼓で、これがまたすこぶる付きの名演だった。まるで大太鼓協奏曲。この大太鼓が映えることで、ストラヴィンスキーが目指したであろう原初的な生命の躍動としてのリズムがすごく立体的かつ直接的に身体に伝わってくるような感じ。曲が終わって、ファゴットを初めとする管楽器のソリストと共に、銅鑼をたたいた遠藤さん共々、コバケンが立たせて、聴衆の熱烈な拍手を受けたのには、グッときたなあ。

学生時代、大学のオケに入って最初の演奏会が、コバケンの指揮だった。まだ、ハンガリーのコンクールで優勝する前。新入生のぼくの出番は、一曲目のマイスタージンガー序曲の二発しかないシンバルだけだった。演奏会が終わって、舞台の袖に引っ込んだところでコバケンが近づいてきて「シンバルよかったよ」と言った。その一言で、ぼくは音楽の魅力、特に打楽器の魅力に引きずり込まれた。

演奏会の前、帰燕で食事をした。

ぼくたち夫婦は、普段は日フィルの横浜定期に通っているのだけれど、演奏会当日の都合が悪かったり、コバケンや山田和樹さんなどが東京だけで指揮する回などは、チケットを振り替えてサントリーホールに聴きに行く。

その際、食事をどこで食べるかというのが、ぼく的には楽しい悩みなのだけれど。カラヤン広場に面したバッカナールは、本当にパリのカフェみたいで定番。ぼくはいつも、フレンチフライがたっぷり添えられたステーキを頼み、幸子はだいたいサラダ。二人でそれらをシェアする。バッカナールは、紀尾井町のホテルニューオータニにもあって、先日、紀尾井町でバロックオペラを観たときにも行ったし、同系列のラ・クラスというブラッスリーがみなとみらいホールの近くにあって、ここにもよく行く。

で、帰燕は都合二度目。一度目は、初めてだってこともあり、土曜日限定のミニ会席を頼んだ。すこぶる旨くて量的にも充分だったのだけれど、隣のテーブルの客のコースの方が品数も多くって、ちょっとうらやましくなって、今回は会席料理のコースを頼んだ。

12時の開店と同時に入ったのだけれど、次々と予約の客が入ってきて、ほんとうにあっという間に満席(カウンターの二人だけは12時半の予約)。

 

それにしても旨かったなあ。どの皿も奇をてらうところが全くなくって、素直って言うか自然体っていうかスーッと入ってくる感じ。でも、どの素材もすごく吟味されていて盛りつけの隅々にまで神経が行き届いている感じ。カウンターで板長さんが刺身やら八寸やらの盛りつけをするのを見ているだけでも、ワクワクして見飽きない。

最後の方、2時の開演時間が迫ってきて、食事(鯛飯)とデザートがちょっと忙しなくなったのが、ちょっと残念。次回は、前もって、1:45に出られるように、って頼んでおくことにしよう。

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